バーは男の隠れ家である、という言葉があります。男は仕事でも家庭でも、いつも男であらねばならないという重荷を背負わされている生き物かもしれません。そんな悲しい生き物である男の隠れ家が、バーなのです。ですからバーには独特の魅力が潜んでいて、男達は密かにその魅力に惹かれるのです。隠れ家であるバーでは、男は己の人生を醸し出します。たいした人生を生きてこなかったとしても、それはそれなりに重荷を背負わされてきたのでしょう。いや、そういう人が大多数なのがこの社会かもしれません。ですから、そんな男たちの隠れ家であるバーでは、それぞれのスタイルを剥き出しにするのです。愚痴がたまりにたまっている男は酒に酔って愚痴を吐き出し、挙句はバーから放り出される。事業の成功者はいつか転落するかもしれない恐怖に怯えながら、そっとカクテルを舐めて夜のひとときを噛み締める。事業の失敗者はいつか這い上がってやるという野心を胸に刻みつけ、たった一杯のストレートを呷って店をあとにする。まだ人生の荒波に一歩を踏み出したばかりの若者は、人生のカオスが渦巻くバーに初めて足を踏み入れて、その雑駁な混沌に圧倒され、自分の夢とは何だろうと周囲の男達を見回しながら、初めてのオンザロックに顔を紅潮させるのである。バーにはバーのマナーがありますが、服装や会話術や飲み方などは瑣末なことで、本当のマナーとは自分の人生をしっかりと生きているかどうかなのではないでしょうか。
最近、お酒を飲みに行くと、そこはダイニングバーであることがよくある。ダイニングバーと言うものがどういう定義なのかよくわからないが、カウンターがあってダイニングがあればダイニングバーというのであろうか。なんだかデザイナーズマンションというマンションがあるのと同じように、そのような名前をつけていればお洒落という感じではないだろうかと思ってしまう。だから、時々、ダイニングバーといってもがっかりさせられるようなお店がある。このようながっかりさせられるお店に出くわしたときには、素直に1杯だけ飲んで、お店を出ることにしている。
最近、おいしいダイニングバーを見つけた。高田馬場にあったお店であるが、お店の雰囲気も洒落ていて食事もおいしい。今まで何度か行って、いろいろなものを食べたが、どれもあたりである。このようなお店を一つでも知っていると、友人を誘ったり、デートしたりするには良いであろう。食事がおいしいので、メニュー選びには安心感がある。だから会話が弾むのである。おいしい料理を当たり前に食べることができるので、そこで困ることはない。
私がたまに行くショットバーがあります。街の飲み屋街の路地の入ったところです。看板が出ていますが、目だった看板ではないので、通っただけでは気づかない人が多いでしょう。そんな目だたないところにあるバーです。店はカウンターが10席と2人様のテーブルが2つ、6人が座れるテーブルが一つとこじんまりした店なのです。店にはマスターと従業員の人が1人です。従業員も女性バーテンダーだったり、男性バーテンダーだった時があります。
私はお酒があまり得意ではなく、若い頃は飲みに行くたびにトイレで吐いていましたし、トイレまで間に合わないこともありましたが、だんだん慣れてきたのか自分が楽しく飲める量やペースがわかってきてからはそれなりに付き合うことができるようになりました。職場の上司との懇親会は週に1回以上のペースで開催され、早く帰宅していても呼び出されることがあります。だいたい2次会か3次会で終わるのですが、たまに4次会になってしまうことがあります。そんな時の締めはいつもバーに行きます。
バーに飲みに行った時の楽しみというのは、お酒を飲むことだけではないですよね。雰囲気のいいバーだと、そこにいるだけで落ち着きますし、喋っていて楽しいバーテンダーの人というのもいます。また、バーテンダーの技を見るという楽しみもあるでしょう。たとえば、シェークを見るのが楽しいという人は多いと思います。バーテンダーのシェークというのは、初めて見る機会は、子供の頃に、多分、テレビドラマで見るのがそうだと思っています。
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